「AIモデルの名前が多すぎて、もはや何が違うのか分からない…」――そんなモヤモヤ、ありませんか?
私も新モデルのリリース記事を読むたびに、スペック表を凝視してしまいます。
とはいえ、Gemini 2.5はちょっと特別です。ざっくりいうと「考える力を積んだGoogle史上最も賢いモデル」。今回は、そのスゴさを肩肘張らずに追ってみます。
Google


Gemini 2.5: Our most intelligent AI model
Gemini 2.5 is our most intelligent AI model, now with thinking.
目次
Gemini 2.5って何者?
- “Thinking Model”――回答前に内部で思考を巡らせる仕組みが入りました。
- ベンチマーク1位:人間評価のLMArenaで首位。
- 100万トークン超の長文脳:膨大な資料を一気に読ませても落ち着いて要約。さらに200万トークン対応も予告。
ざっくりいうと、従来モデルで言う「Chain‑of‑Thought」を標準装備し、長文を丸ごと咀嚼できるタフな脳みそを得た、というわけです。
どこが賢くなったの?
1. 推論(Reasoning)
GPQAやAIME 2025など“考える系”試験でトップ。多数決投票のようなコスト高テクニックなしで勝ち切るあたり、本気度が伝わります。
2. コーディング
SWE‑Bench Verifiedで63.8%。「1行プロンプトで恐竜ゲームを完成」なんてデモも。コード変換やリファクタも得意です。
3. マルチモーダル理解
テキスト・画像・音声・動画・巨大リポジトリ――入力の種類がバラけても、文脈を見失いにくいのが強み。
とはいえ、注意したい“落とし穴”
- 実験版ゆえの不安定さ
Pro Experimentalは日々アップデート中。推論のクセが変わる可能性も。 - コスト
思考が深いほど計算資源を食います。Googleは「思考量を絞る切替スイッチ」を別モデル(2.5 Flash)で用意し始めました。 - 事例不足
長文脳&推論をフル活用したユースケースはまだ発展途上。初期は小さく試すのが吉です。
どう使えばいい?
開発者なら
- Google AI Studioで無料枠から触る
- エージェント系PoCを“短い応答+深い裏思考”で設計し、効果とコストを天秤にかける
一般ユーザーなら
- Gemini Advancedのドロップダウンで「2.5 Pro Experimental」を選択
- 長めの資料を貼り付け「要点を5つで」など、思考力が映えるタスクを試す
まとめ
Gemini 2.5は、「AIが考えてから答える」を当たり前にする第一歩かもしれません。
内部での“ひと呼吸”が、精度と説得力を底上げします。
とはいえ、コストと安定性はまだ課題。
深掘りと軽量化、両輪の進化を見守りつつ「自分の課題にどこまで思考が必要か?」を見極めるのがカギです。
というわけで、まずはAI StudioやGemini Advancedで、小さな実験をしてみるところから始めてみませんか?